猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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鍵はどこだ ――後編


結局、連絡はとれないまま、われわれはゴミ拾いを始めた。

1時間ほどたったのだろうか。

ダーヨシは、ゴミ拾いをしているわれわれの前にひょっこり現れた。
息が切れている。
「はぁ…はぁ……ごめん。遅くなりました」
おなじみの舌を噛んだような口調。

全員がダーヨシを見つめる。
「おお、ダーヨシ大丈夫?どうしたの?何があったんだよ。携帯に
 電話しても出ないし、心配したよ」
コロッケ男が言う。

「はぁ…はぁ…いやぁ、実はさぁ、車の鍵を失くして……はぁ」

先輩社員が問う。
「おまえ、携帯、なんで出ないんだよ」
「はぁ、すいません。…はぁ、気づかなかったんです」
「で、車の鍵失くして、どうしたの。今まで探してて、ようやく
 見つかって今来たの?先に連絡ぐらいしてよ」
「いやぁ…」
どうにも歯切れが悪い。いや、何より息切れだ。
「なんだよ。ダーヨシ、何でそんな息きれてんの?」
コロッケ男が割り込む。

「はぁはぁ、結局、鍵見つからなくて……」

「見つからなくて?」





「自転車で来た」

ダーヨシの家は車で10分程度のところ。ただ会社までは基本のぼりが続く。
30分は自転車でもかかるだろう。

「はぁ?何で自転車?」

本当に何で自転車なのか。自転車で来た努力を、先輩はなぜか認めたのか、
同情したのか、仕方がないなとなぜか、お咎めなし。

とはいえ、新入社員だったとはいえ普通は遅れるときは連絡するでしょ。
なんで電話しても出ないわけ?ただただ、自転車こいで「ごめんなさい」は
演技がかってやしないか。逆算しても、会社に来るはずの時間はもっと
早いよね。連絡なしっておかしくないか?

ダーヨシはいまだに認めないが、推理すれば答えはおのずと見えてくる。

われわれの電話で起きたダーヨシは「まずい!どうしよう」とややパニックに。
寝坊で遅刻は新入社員にはあるまじき行為。で、思いついたのがなぜか
鍵を失くして自転車で会社に行くこと。そう、時間的にもむしろこの方が
しっくりくるのだ。あのタイミングで電話に出たら明らかに声が寝起きだったのだ。


  *      *

ちなみに、鍵を失くしたmmは探すのを諦めて、スペアキーを持ち出す。
家で鍵を失くしたら、せめてこのぐらいの対策は誰でも思いつくだろう。

その日、家に帰ったmmはベットに置かれていた新聞を取るとその下に鍵発見!

ちなみに、ダーヨシの鍵は家に帰ったら風呂のマットの下にあったんだとか。
どういうシチュエーションで、そんなところに鍵が置かれるのだろう……。

                                        (終)
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by 13staydream | 2008-12-21 16:19 | 戯言