猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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大迷惑 その2

子供は素直に思ったことを口にする。そして行動する。
大人はいつからそれができなくなったのだろう。
人の目ばかり気にして、どこか窮屈になっている。
でも、時には素直な人間に出会うことだってある。

*     *

「これ、いただけませんか?」
最初は見せてといっていたのに、いつのまにか「ください」に
変わっている。相手は30代後半ぐらいの女性だろうか。
ちょいと上目づかいで、完全に懇願されている。
言い方は丁寧かもしれないが、アカリと言っていることは同じだ。

相手がこれだけ素直な気持ちで懇願しているなら、
私も誠心誠意、素直に答えるべきだろう。
「いやいや、見せるだけだって。絶対にイヤです」
即答である。

*     *

彼女も私もなぜこんなに素直だったのか。
それは自分がもっともっと若かりし頃のことを思い出していたから。
少し興奮状態だったのだ。

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その日は「蘇える勤労」。待ちに待ったユニコーンライブの日。
とにかく新しい曲はもちろんだが、やはり昔の曲の盛り上がりは異常。
「おかしな二人」「大迷惑」「ヒゲとボイン」「人生は上々だ」「素晴らしい日々」
あの頃を思い出して、涙が出てきそうだ。
ついに、ライブであの曲たちを聴けたのだ。
まさかこんな日が来るとは本当に思いもしなかった……

2度のアンコールを終え、最後にメンバーが挨拶をする。

EBI(ユニコーンのベースの人)が投げたピックが私の近くまで飛んでくる。
左手を精いっぱいのばすが、隣の女性のほうがベストポジションで届かない。
後ろの女性も手を伸ばす。結局、届かない。

でも、2人の女性たちは手にしている様子がない。
ふと足元をみるとオレンジ色のU・Cと書かれたピックが落ちている。
私はゆっくりとそれを手にしていた。

                               (終)

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by 13staydream | 2009-03-25 01:13 | 戯言