猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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mm、パトカーに乗る その3


*           *

男は寝そべってテレビを見ていた。
隣のアパートの駐車場に車が入ってきた音がした。
ラッキーが吠えている。
この暑いのに、外で男が二人で何やら話し合っている。
動くのも面倒だったが、テレビが面白くなかったこともあり、
男は何となく立ち上がった――。

二人の男のうち、1人は警官である。
もう一人はさっき歩いて出てった隣のアパートから出てった兄ちゃん。
なんだか、面白うそうだな。

「じゃあ、駐輪場はどこだったのかな」
「こちらです」
兄ちゃんが汗をぬぐいながら、警官を案内している。
「まったく表の通りからは、ここの駐輪場見えないんですよね。
 実は以前にもバイク盗まれたんですけど……わざわざここを見つけたんですかね」
「確かに奥まっていますね、ここは。ふむ。」

*           *

高木は被害届の記載事項に従って、質問を繰り返し、
あとは現場の状況を図面に起こす作業をしていた。
どうせバイクは戻ってこないと思っている被害者。
まったく、こいつらは私たち警官がどれだけ忙しいかを知らない。

一通り調書は作成した。後は戻って、次の作業に取り掛かろう。
「じゃあ、私はこれで失礼します」
ふと永田巡査長の顔がよぎった。
あの人なら、ここで何をするだろう……






「駅近くまでお送りしましょうか」

*           *

また、駅まで歩かなくてはいけないと思っていたmmには
驚きの一言だった。
すでにTシャツは汗でかなり濡れていて、本当は着替えたかったが、
「いいんですか。じゃあ、素直に甘えます」
再びパトカーに乗車。
「でも、大変でしょう。バイクなくなって」
「いえ、車はあるので生活には支障はないのです。ただ、さびしいですけど。
それにしても、パトカーに乗るって緊張しますね。」

しかし、駅まで送ってくれるなんて、なんかうれしいな。
でも、駅前でパトカーで降りるのは、周りの目が妙に気になる。
とmmの心配をよそに、お巡りさんは
「ここでよいですか」
「十分です。すいません。わざわざ送っていただいて。助かりました。
 ありがとうございました」
駅まで200m手前の信号でmmは降りた。
降りた後、もう一度お巡りさんに挨拶をしようと運転席をみると、
すでに顔は正面しか見ていない。妙に硬い感じのお巡りさんだったけど、
意外といい人だったな。まぁ、バイクは戻ってこないだろうけど――。

                            (続)
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by 13staydream | 2010-07-30 22:47 | 戯言