猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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夏休み~たった1/30日なのに長い長い1日③

タクやリョリョと同級生らしいのだが、妙に大人びているのはケン。
「ここはどうしたらいいんですか」
言葉遣いも、「わかったぁ~」「これ、どーすんのぉ」と言っている
タクたちとは異なる。4日目のキャンプだが、ケンは日本語しか話せない
相手に少し飽きてきているかもしれない。得意の韓国語や、大好きな英語を
理解できる人と話がしたい。でも、そんなことは承知済みなのでこのキャンプには
英語の『ロビンソン・クルーソー』の本を持ってきた。

今夜の野宿もすでに自分の張り方を考え出している。
昨日の火起こしも、そつなくこなす。4年生にして
すでに冷静さを身に付ける真面目なヤツだ。


昼食が終わると1時間の準備と休憩時間が設けられた。
野宿にむけて準備をするものもいる。自分のテントの整理をするものもいる。
仲間たちとゲームをはじめるものもいる。



ケンと同じ4年生で丸坊主で陽気な少年ピカソは困った顔をしてつぶやく。
「俺、行けないよ・・・」
あちこち、うろついては「俺、行けないよ・・・」
そうしていれば、きっと誰かが声をかけてくれる。そんな期待を抱きながら、
「俺、行けないよ・・・あ~ぁ」

今回初参加の大学生スタッフのゆっきーがたずねる「どうしたの?」
その質問を待っていたかのようにピカソは
「俺のロールマットがないんだ」
「さっき見つかたって言ってたじゃない」
ゆっきーが諭す。
「ううん、あれはケンのだったんだ。俺のは見つからない。だから、
 俺、このあと行けないよ」
泣きそうなのを必死にこらえている。
仮にロールマットがなくても行けないわけではないなんて思いは浮かばない。
もはや持参物として言われたものがなくなっていることで
自分の不参加が決定してしまったのだ。

ピカソとケンは同じテントの仲間。
「聞いてみたらいいじゃないか、だれか知ってるかもよ」
言っていいものかわからなかなかったが、私も声をかける。
それでも、右往左往するピカソは自分のテントに戻るのが嫌なようだ。
「一緒に探してやるよ」ゆっきーが言うとようやくピカソもついて行く。
自分のテントに戻ってケンにもう一度聞いている。

「だったら俺のやるよっ!!」
ケンが自ら手にしていたロールマットを投げつけている。

ピカソはなくなったロールマットはケンが奪ったと疑っている?
ケンは疑われていることに怒っている?
それとも奪ったロールマットがばれないための逆ギレ?


実はこの失ったものが、どこにいったのか結論を私は知らない。

ただ、純粋に感情をぶつけあう子供たちの姿に、不思議な感情を抱く。
私なんかは常に繕うことをする。でも彼らはそんなことは気にしない。

ガキ大将が言っていた言葉。
「大人と違って子供は純粋なんだ。金や利益がからまない。
 だから素直に争うこともあるし、喜んだりもするんだ」
「なるほど」
「モータースポーツなんかも、もっと金なしで動いたら面白いかもよ」
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by 13staydream | 2006-08-07 18:11 | 戯言