『幻の女』 ~前編
2006年 11月 16日
「幻の女」:男は奇妙な帽子をかぶった女に出会い、気晴らしにその女を誘って食事をする。
酒を飲んで家に帰ると喧嘩別れをした家に残してきた妻が彼のネクタイで絞殺されていた。
唯一の目撃者“幻の女”はどこに?というミステリ不朽の名作。ウィリアム・アイリッシュ著。
**************************************
mmはやる気がなく、その日は仕事を早々に切り上げて帰宅した。
家のドアを開けると、どこかいつもと違う空気を感じた。何かが違うのだ。
そういえば、1週間か、2週間前もそんな気配を感じた。あの時は
それでも家に入ってからだ。照明をつけ、着替えようと服を脱ぐと異変に気づいた。
窓際にあるテレビのあたりが異常なほどホコリまみれになっている。
最初に頭をよぎったのは、再びの泥棒。しかし、周りを見渡しても何かが盗まれている
気配はない。ホコリのあるテレビのあたりから、ふと見上げると通気孔がある。
その日はやけに風が強い日だった。おそらくあまりの強さで
そこにつまっていたホコリが一気に飛び出したのだろう。mmは、そう結論付けた。
そうそう、泥棒なんてはいるものか。施錠はしっかりしているのだ。
しかし、今日はまだ靴を脱いでいないにも関わらず、何かが変なのである。
靴を脱いで部屋に入る。なぜか、mmは部屋に女がいるような気がした。
しかし、誰もいない。狭い部屋である。せいぜい人が隠れられるのは押し入れぐらいだが、
そこにも人などいない。早く帰ってきたわりに外で酒を飲む気もしなかったmmは
簡単にパスタをゆでようと決め、台所にたつ。そこで異変の原因に気づく。
(続)
酒を飲んで家に帰ると喧嘩別れをした家に残してきた妻が彼のネクタイで絞殺されていた。
唯一の目撃者“幻の女”はどこに?というミステリ不朽の名作。ウィリアム・アイリッシュ著。
**************************************
mmはやる気がなく、その日は仕事を早々に切り上げて帰宅した。
家のドアを開けると、どこかいつもと違う空気を感じた。何かが違うのだ。
そういえば、1週間か、2週間前もそんな気配を感じた。あの時は
それでも家に入ってからだ。照明をつけ、着替えようと服を脱ぐと異変に気づいた。
窓際にあるテレビのあたりが異常なほどホコリまみれになっている。
最初に頭をよぎったのは、再びの泥棒。しかし、周りを見渡しても何かが盗まれている
気配はない。ホコリのあるテレビのあたりから、ふと見上げると通気孔がある。
その日はやけに風が強い日だった。おそらくあまりの強さで
そこにつまっていたホコリが一気に飛び出したのだろう。mmは、そう結論付けた。
そうそう、泥棒なんてはいるものか。施錠はしっかりしているのだ。
しかし、今日はまだ靴を脱いでいないにも関わらず、何かが変なのである。
靴を脱いで部屋に入る。なぜか、mmは部屋に女がいるような気がした。
しかし、誰もいない。狭い部屋である。せいぜい人が隠れられるのは押し入れぐらいだが、
そこにも人などいない。早く帰ってきたわりに外で酒を飲む気もしなかったmmは
簡単にパスタをゆでようと決め、台所にたつ。そこで異変の原因に気づく。
(続)
by 13staydream
| 2006-11-16 00:59
| 物語