猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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交差点 ~後編

    *            *

メガネ男は赤信号を待っているその横で接触音を耳にした。
先ほどの自転車の男が、顔をゆがめながらくずれていく。
倒れる。ゆっくり走っていたタクシーがそのまま道路わきによせる。

大丈夫か、助けてあげた方がよいか。
でも、あのタクシーのスピードならたいした事はなかろうが・・・。

タクシーの運転手があわてて車から降りて
自転車の男にかけより抱きかかえている。

すぐ横にいる上司はその事態さえ気づいていないように無視しつづけている。
本当に気づいていないのか、気づかないふりなのか。
なんなんだ、このじいさんは。正義とは何か、親切とは何か--。
関わらぬ方がお互いの身のためか。親切心が返って仇になるなら
こんな時間に助けぬ方がよい。メガネ男は自転車男と自分の上司を
交互に見ている。

おい、じいさん定年間近はわかるが、何なんだそのやる気のなさは。
メガネ男は自分の自転車のペダルに足をかける。
まもなく、信号が変わる・・・どうする。




    *             *

mmはイヤホンをつけながら音楽を聴いている横でした
接触音で顔をあげる。タクシーと自転車が軽く衝突している。

その一連を、ぼんやり見ている。
目の前の赤信号がまもなく青に変わる。
明日朝も早いし、やはり面倒はごめんだ。
おそらく自転車の人も大きなケガはないだろう。
理由はどんなものでも正当化されてしまう。
人は理由つけさえできれば、正義も悪も同義語にできるのだ。

mmの前には2人の男が信号待ちをしている。
若いメガネの男は明らかにこの事故を気にしている。
年老いたその上司らしき男は気づいてすらいないようだ。
それとも無視しているのか。







mmの前にいた若いメガネ男は後ろ髪をひかれるように
年老いた男の後ろから自転車をこぎだし、暗闇に消えていった。

2人の男は警察官の制服を身に付けていた。
まさか制服マニアじゃないと思うが・・・。


明日は早いから、俺もさっさと寝よう。
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by 13staydream | 2006-11-27 21:00 | 物語