女たちよ眠れ-忘れ物は?- 探偵の物語 前編
2007年 06月 18日
[今夜泊まってもいい?]
男は車から降りると携帯を片手にメールを見ていた。
またか…。私はその男を少し離れたところから監視をしている。
そう、私は探偵を生業としている。ただこの依頼がちょいと
変わっている。この男の浮気調査などを調べるわけではなく、
ただ素行調査。それも周りの人の評判などの聞き込み不要。
ただ動きを見ていればよいというものなのである。
それにしても、この男は一体何者なのか…。犯罪者なのかもしれない。
おそらく、あのメールを見る限り今夜も誰かが泊まりにくる。
帰ってきた男は、すぐさま独りで家を出ていく。どうやら、
毎晩のことだが飲みにでも行くのだろう。
まもなく24時というころ、男は独りで帰ってきた。メールの女と
一緒ではなかったようだ。これで今日の仕事は終わりかと期待したが、
仕方がない。私はそのまま監視を続けた。
そいつは現れた。
まさか――私は驚きを隠せず目を見張った。
もう少しで声を出すところだった。
てっきり、こいつとは別れていたのかと思ったが……。
(続)
by 13staydream
| 2007-06-18 14:19
| 物語