猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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怪盗mm捕まる!? その1


男はその日のうだるような暑さで参っていた。
好きではじめた仕事だったが、毎月のように全国を回ってそのくせ
たいした給料にならない。レースの世界は過酷だ。ドライバーなら
まだしもメカニックとなると華もない。とはいえ、2日間の仕事を
終えた。これから東京まで帰る。広い駐車場に止めた自分の車を探す。
キーのボタンを押そうとかざすが、すでにキーが開いている?
近づくと、確かに開いている。
「そんなバカな・・・・・・、今朝俺は確かに閉めたぞ。何があったんだ
 ・・・・・・」

*         *


「だから、どうして私がこんなところにいなきゃいけないんですか」
mmは悲壮感をただよわせて叫ぶ。
「ふん。いい加減に白状をしろ。おまえさんの犯行はすでに明白
になっている」
その刑事の名前は星野と言った。北京五輪は金メダルしか狙わない
といったあの監督と同じ名前。そんなことどうでも、よい。
「だから、私が何をしたっていうんです。誤解だ」




「さっきから言ってるだろう。窃盗未遂だ。
 おまえさん、人の車を盗もうとしただろう」
「そんなの・・・・・・」
「いいかげん認めたらどうだ。こちらには証拠も出ているんだ」
刑事の発言は自信にみちあふれている。一方でmmの目には不安が
ますます色濃くなっていく。拒否し続ければよいのか、認めるべき
なのかを迷っている様子だ。

「証拠って何ですか・・・」

消え入りそうな声になっている。追い討ちをかけるように刑事は言う。
「ふん。指紋だよ。おまえさんの指紋があの車にちゃんと出ている。
 しかも運転席側のドアと運転席周りだけ。おまえ、あの日あの車
 を盗もうとした。しかも真っ昼間からな。ところが、何があった
 のかしらんが途中でしくじった。そういうところだろう」

刑事はここまで言うと、あとは容疑者の落ちるのを待つばかりと
無言を決め込んだ。mmの目の前に、腰掛けた。
mmにとっては5分はあったかのような沈黙が続く。実際はどれくらい
あったのかは分からない。観念したかのように、ついに話しはじめる。

                                      (続)
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by 13staydream | 2008-08-23 10:18 | 戯言