猫背でもサルはサル。


by 13staydream
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TRAIN-TRAIN 第1話

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ここは天国じゃないんだ かと言って 地獄でもない
いい奴ばかりじゃないけど  悪い奴ばかりでもない

                 THE BLUEHEARTS
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ルイス・ハミルトンがマレーシアでスターの片鱗を見せ、
マッサが助演男優としての配役が決定した日から2日後の朝。


まだ、このラッシュアワーには慣れない。
入学式が終わり、高校に通うようになって数日、
私は通学のため、電車の中にいる。そして、今日もその電車の
中で人ごみにまみれ窮屈にしている。周りを見るとやっぱり窮屈
にしているのに、休み時間の教室と変わらない大声で話している
私と同じ制服の女子高生たちが騒いでいる。これなら携帯電話で
申し訳なく話しているおじさんの方が、迷惑じゃない。おばさん
たちはうるさいとか言っているけど、女子高生だって同じじゃな
いの。

目の前に座って寝ているおじさん――。朝から疲れきって寝ている。
これから今日一日大丈夫なのかしら。サラリーマンなんて・・・

「ハルちゃん、おはよ」





突然、後ろから肩をたたかれる。駅で人が降りたすきに近づいてきた
同じクラスのナツキだった。同じ中学だったけど、クラスが一緒にな
ったのは高校に来てはじめてだった。
「いたんだ。なんか窮屈で疲れるね、電車」
「ほんと。自転車通学にしようかな。でも遠いよねぇ」
「ところで、ハルちゃんは部活どうするの?やっぱりバスケ部?」
「うん。迷ってる。T先輩に声かけられたら断れないんだよな」
「私はどうしようかな。せっかくの高校生活、どうやって満喫しよう
 かな。バイトもしてみたいし」
「バイトかぁ。私もバイトしようかな」
「なんで?ハルちゃんはぜったいバスケした方がいいよ」
「う~ん。でも、うちお金ないし。昨日もお父さん酔っ払って帰って
 きて、うちお金ないのに。だからサラリーマンは嫌いだってお母さ
 んにいわれてケンカしてた」
私はふと視線を落として、目の前に座って口を少しあけて寝ているサラリ
ーマンに視線を落とした。きっと二日酔いなんだ。サラリーマンなんて、
何を楽しみで仕事をしているんだろう。上司に怒られて、やりたくないこ
とやらされて――。電車がゆれて、後ろから人が寄りかかってくる。

「ハルちゃん、降りるよ」
「えっ、あぁ、うん」
気づくと、駅に着いていた。満員電車を出ると、春の心地よい空気だ。
やっぱり満員電車は嫌い。

                                       (続)
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by 13staydream | 2007-04-13 01:47 | 物語